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アイスランドから送るふぉとえっせ〜。
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「Landsbjorg」

2008年4月2日

雪のほとんど溶けた現在にコレを書くのは少し気が引けるけど …  まぁ、いっか。(^^;) 話は少し前後するけど、前々回のフォトエッセイ「とある夕餉」の2日後、またまたReykjavikへ行ってきたよ〜。



白〜い

いつもならReykjavikまで大目に見て、1時間もあれば着くから、そのつもりでさらに少し余裕を持って家を出たのに、道中はご覧のように白い上にちょっと滑る〜。除雪車も走ってるし、他にも車両はあるから、そんなに心配してないけど、時間通りに着けるか、ちと不安。途中で、10分くらい遅れそうと連絡を入れながら、着いた先は …



到着♪

こちらでした〜。なんとか2〜3分遅れで済んでホッ。受付で目的の場所を尋ね、向かいます。


SLYSAVARNARFELAGID LANDSBJORG
(要・特殊文字変換)

実は、ここは時折フォトエッセイ等で書いていた「レスキューセンター」(とウチが勝手に読んでるだけなんだけど(^^;))ICE-SARの本部なんです。

その昔、Bolungarvikに住み始めて間もない頃、せっかく住むのだからと、村の歴史等を調べて、ウェブサイトを作ったことがあったのね。その時に村のレスキューセンターへお話を伺いに行って以来、気になる存在だったのよ。そこで今回はサイト(Cold Nature)に載せるからと理由をつけて、広報の方にお話を伺いに来ちゃったのでした。

ちなみにBolungarvikのことを調べるのは、あちこち、たらい回しにされて、すご〜く大変だったけど、それは別の話なので、今回はパス。Bolungarvikのウェブサイトはフリーの所に上げてあったけど、長年放置していたので、今はもう探してもみつからないです〜。(なくなったのが確認できたから、ここに書いたと言うかも … 笑)




階段を上るとオフィスがあった〜

ICE-SARは2階にあるとのことなので、階段を上り迎えてくれたのが、広報担当のOlofさん。(お名前の特殊文字は省略)遅れてごめんなさいね〜、と話した所、この日はReykjavik - Keflavik間は雪のために車が何台も落ち、レスキューセンターは大忙しなのだとか。うぅ、そんな日にお邪魔してごめんなさい。でもそのせいか、ウチが遅れたのもわかってくれたようでした。


普通のオフィスですね

www.landsbjorg.is

上記のサイト(英語版)を読んで貰えばわかるけど、ICE-SARは1928年に前身の(サイトには1918年とあるけど、広報の方曰く1928年とのこと。でも、今年で組織は80才を迎えるとのことだから、正解は1918年?)組織を発足させたのだそう。

そして、約10年前に、海でのレスキューが主だったthe National Life-saving Association of Iceland と Landsbjorg, the Association of Icelandic Rescue Teamsを合併させて成立した、無償のボランティアで形成された組織なんです。ただし、Olofさんを含めた18人は例外の被雇用者で、このオフィスに勤めているそうな。




コーヒールームにて

コーヒールームでコーヒーを頂きながらお話を伺うことになりました〜。この辺の気楽さはいいよね。

それにしても、不思議な漢字模様のテーブルクロスよね。まぁ、こっちだとよくあるんだけど。(笑)



お話聞き中♪

ICE-SARはアイスランド全土に約100のチームがあって、現在の隊員数は約2500人だけど、休眠隊員数は約18000人なのだそう。主な活動内容はレスキュー活動・海や陸地及び家庭内(老人宅等)での事故防止のための活動・隊員や船員の訓練等で、事件や事故が起こると、必要に応じて、112番(110番+119番のような緊急用電話番号)の警察や消防から連絡があり、彼らと一緒に活動するんですって。



所長さんも登場

アイスランドでは、警察はレスキュー活動に必要な道具(車両含む)や探査犬を持たないので、必要に応じてそれらを持つICE-SARに要請するのだけど、何がすごいって、ICE-SARの活動は賃金なしのボランティアの為、活動に必要なモノを購入する費用は全部隊員が稼ぎ出してるんです!警察に協力する時も全て自腹なのよ。

もちろん、購入時は政府から税金(通常は一般車両の場合、車両と運送料の合計に対して、90% - 100%の輸入関税がかかります)の減額があるけれど、定期的な訓練費用も隊員の自腹だし、警察等からの要請により出動した場合も、隊員やICE-SARに料金が支払われることはないんですって。

もっとも、隊員の通常の仕事の勤務中に要請があった場合は、隊員はただちに仕事を抜けるけど、ほとんどの場合、特に勤務先が大きくなればなるほど、隊員がレスキュー活動の為に不在の間も賃金は払われることが多いんですって。困った時はお互い様、の助け合い精神がここにも生かされているわけね。



壁にも写真が飾られてます

政府からの微々たる補助や他からの寄付も少しはあるとは言え、組織の運営費は主に自分たちで稼ぎ出さなければならないわけで … どうするかと言うと、大晦日の花火販売(主な収益。でも独占ではなし)やロト(何パーセントかが配分される)、スロットマシーン(ライセンス製)、ペットボトルの回収(この国では、ペットボトル等の飲料ボトルを返すと1本に付き10kr.返金されるので)、年に1度のキーリングの販売、隊員達の賃仕事等、をしているんだそうな。でもやはり大変なようで、常に方法を模索してるんですって。

そう言えば、以前住んでいたBolungarvikでは、普段は天気予報士をしている人が、タラ漁用の餌付け仕事をして、その分をICE-SARの活動費にあてていたもんね。Reykjavikではどこぞの職場の清掃に隊員で出かけたりするそうなので、地域により隊員の請け負う仕事の種類は異なっても、ICE-SARのために隊員が賃労働するのは同じのようです。



過去の訓練写真

最近の救助例では夏に四駆で氷河へ行き、クレパスに落ちた車のレスキューがありました。その時は、各地から隊員が集まり、1日かけ1名は救助出来たけれど、残り1名は救えなかった … 。

でも、ICE-SARでは、この手の救助にかかった費用を、救出された人に請求することはないのだそうです。料金制にすることで、人々がICE-SARに連絡するのを控えられては、結果救える命を救えなくなることを危惧しての判断だとか。

う〜ん、すばらしいけど、実行するのは大変そう、と思ったら、やはりそのようで … 。一般人の乗る四駆車が大きく、性能が上がれば上がるほど、行ける場所が増えるので、ICE-SARもそれに準じてレスキュー出来る車両等を持つ必要があるのが、大変なのだとか。

また最近は夏場の観光客の遭難も増えているんですって。(言われてみれば、毎年何かしら外国人観光客の事故等が報道されているもんね。)昨夏はドイツ人2人が氷河へ向かったまま、行方しれずとなり400人(正確数不明)の隊員が捜索したにもかかわらず、発見には至らず … 。

ドイツ人旅行者の旅程を現地の誰も知らず、彼らが帰国の飛行機に現れなかったことで、ようやく捜索隊が出動したけれど、どこから探して良いかわからず、時間がかかってしまったそうで。とにかく、旅行に行く時は現地の誰かに旅程を伝えてから、出かけるようにして欲しいとOlofさん。そりゃ、探す方の気持ちになったら、そうだよねぇ。

このようにアイスランド事情をよく知らない外国人観光客のトラブルも増えているので、例年は年間1400件ほどだった呼び出し回数が、昨年は約2000件(正確数は不明)ほどに増えてしまったようです。う〜ん、ウチも1回探索されたことあるしなぁ … 。(詳細は過去ログ2002年の「サマーツアー2002 前編」をご覧下さいね)理由があるとは言え、一外国人として、耳の痛い話です。ホント、気を付けなきゃね。(^^;)

ちなみにOlofさんから、旅行者のみなさんへの注意点は以下の3点だそうです。

1 どこへ行くにも、現地で誰かに旅程を伝えること

2 天気を調べること
アイスランドは天気が変わりやすいことを知っておくこと

3 服装と用具が正しいか、確認すること



事故時のもの

近年で最悪の事故は94年にウェストフィヨルズのFlateyriとSudavikで起こった雪崩なのだそうです。34人の死者を出したこの雪崩れでは、荒れ狂う猛吹雪という悪天候の中、二次災害の危険もあり捜索活動は思うように進まなかったそうな。

それでもアイスランド全土のICE-SAR隊員が集結し、数十人の救助作業及び遺体発掘作業をスコップ等手作業で行ったとか。ある一定期間を過ぎた後は、発見されるのは遺体のみになるわけで、ことのほかその作業は辛かったようで、未だに苦しんでいる隊員もいるとのこと。

34人という数字はぱっと見、多くないように感じるかもしれないけれど、2つの村の合計人口が約500人であることと、当時のアイスランド全体の人口が30万に満たない状態だったことを考えると、決して少なくなかったのでしょうね。

また、70年代のヘイマエイ島噴火の際には、南部のICE-SAR全てと近隣の港から全ての船舶が島に集まり、救助活動を行ったそうです。おかげでこの時の噴火では、1名の死亡者も出なかったのが、彼らの誇りなのだそうで … うん、一般船舶を含めた「全ての船」ってところがすごいよね。誇りなのも納得です。



ICE-SARはこんな所にあります♪

過去に訓練中死亡した隊員は最近では氷河で3名ほどいるのだそう。悪天候でも救助を行うことを想定し、悪天候下でも訓練をする必要があるので、命を落としてしまったんですって。ただし、実際の救助活動中に命を落とした人はいないのだとか。これは隊員達が自分の命を最優先するように言い渡されているからだそうで … そうだよね、助ける本人がちゃんと生きてなきゃ、ダメだもんね。

また、85年以来、アイスランドでは、新たに船員になった人はICE-SAR所有の船で5日間の訓練を受けることが義務づけられたのだそう。おかげで、それまでは年間15-20名ほど船員の海難事故死者が出ていたのが、以後年間2-3名に減ったのだそうです。

ゼロにはならないけど、それでも十分効果的ですよね。また、1928年から約2000人の漁師の命も救ったのだとか。知り合いに海でお父さんを亡くしている人がいるので、やはり海の事故はアイスランド人にとって身近の脅威なのだろうなぁ。

ところで、アイスランド各地(主に人気のない海岸沿い。山間部の場合は特に標高の高いところなど)には地元のICE-SARが建設したレスキュー小屋があります。施錠もされておらず、内部には無線等緊急時に必要な物が揃っているので、レスキュー小屋のおかげで避難でき、助かった漁師さんもたくさんいるとのこと。

一般人も誰でも宿泊・利用することは出来るけど、レスキュー小屋利用を前提に泊まり歩くのは当然好ましくないそうです。って、緊急時用にボランティアの手で備品が揃えられてるんだもの、当たり前よね。

以前、と言うより未だに、日本語のサイトで「旅行者も泊まれる」とだけ簡単に説明してあった所があって、びっくりしたのよね。あの書き方だと誤解受けるだろうなぁ、と … 。ちょうど該当するレスキュー小屋を建設したおじさんと話をする機会が当時あったから、このサイトの話を教えてあげたら、おじさんも「誰でも利用は出来るけど、そんな前提はちょっと … 」と困ってたもの。

こういう所はアイスランドらしいとも言えるんだけど、小さな国のせいか、今まで経験していなかったことに対して、予想が出来ないのね。今まで自国民だけで、お互いに分かり合える中でやってきたから、しょうがないのかもしれないけど … 。

彼らにとっては、「誰でも利用できる」とあっても、善意の利用が当然で、旅行を前提に利用しようとする人がいるかもしれないなんて、想像してないのよね。おかげで過去にそう言った事例があって、困ったことはあったようだけど … 。(もちろん、その時は出向いて、やめてもらったそうな。)

と言うことで、せめてここをご覧の方は旅行を前提の利用はしないでくださいね〜。ちなみに緊急時等に小屋を利用し、備品(食料等)を使用した場合、補充の必要があるので、地元のICE-SARに連絡が欲しいそうです。



販売ちう

ここでもいろいろ販売してます。さすがにICE-SARロゴの入った洋服は買えなかったけど、車用の救急キットをOlofさんに選んでもらいました〜。

お値段3000 kr. 台だったけど、こんなお話を伺ったら、やっぱりお釣りは受け取れないよね?ということで、さりげなく見栄を張り、5000 kr. 渡して「お釣りはいりません」と言うのが、ウチの精一杯でした。情けない … 。

ウチはロトを買うことがあっても、ギャンブルはしないし、大晦日の花火はまず買わないから、空きペットボトルの提供くらいしか、普段はしてないのよね。(^^;) でも、出来ることを地味にやるしかないもんね〜。



上の写真と色が違うなぁ(^^;)

ICE-SAR用の空きペットボトル等収集容器は、ガソリンスタンドの裏手などにもあるから、旅行者でも時間がある人は、良ければ入れてあげてね。↑のマークが目印の、白い大きめの容器です。(SLYSAVARNARFELAGID LANDSBJORGって書いてありますからね〜)





救急セット♪

救急セットはこんな感じでした〜。ポーチに書かれているのはアイスランド語なので、ウチにはちょっと分かりづらいけど、その中身は英語の説明もありました〜。アイスランドのお土産に如何?って、日本人にはアイスランド語じゃ、緊急時に躊躇しちゃうかな。その前にどこで手に入れるんだろ?(笑)



ホースが112!

アイスランドの場合、小さな国なので、皆が助け合わなければ、生きていけなかったという事情もあったとは思うけど、平時からボランティアでこのような活動をしてるのって、すごいよね。

阪神大震災の時、犯罪が(あまり?)起きなかったのが諸外国では驚かれたようだけど、アイスランドもきっと同じなんだろうなぁ。ICE-SARの活動や普段のアイスランド人を見ていると、そういった根本の気質がアイスランドと日本は似ている気がします。

物価が高いとか、仕事が遅いとか、間違いがあるとか、いろいろと思う所はたくさん!(コレは次回のフォトエッセイでね 笑)あるけど、それでも総合してみるとアイスランドってなかなか良い国なのかも。



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アイスランドで作った「さばいばる日本食」は ここ からどぞ