少なくても毎週土曜日更新 -氷国時間- (^^;)

ウエストフィヨルズから送るふぉとえっせ〜。


ー廃屋ー

2001年6月16日・・
の筈がちょっと過ぎてしまった明るい真夜中(汗)。

 
ちと古い話で恐縮ですが、去年の夏にウエストフィヨルズを車で一周してみた。「行ける道という道は6日間で殆ど制覇」と現地人も驚く強行軍だったんだけど、ウエストフィヨルズ北東部を走行中、対岸に朽ちたコンクリートでできた建造物を発見。

先に断っておきますが、このエリア無人の地域であります。その昔、とは言え数十年位前から冬の厳しさに耐えかねた住民が土地を離れてしまった地域。今では点在する(へたすると10キロ四方に家が一件だけなんてケースも・・)家屋を昔の持ち主がサマーハウスとして使う事がある程度で、その多数は殆ど放置されたままになっている。当然地図にはその痕跡が記されている訳だけど、持って行っていた地図には何にも書かれていなかった。「あの寂れ具合からして何かありそうな匂いが・・」と予定のルートを大きく外れて向かってみることにした。

フィヨルドを迂回して山を越え坂を下り始めると、無気味さが段々増してくる。おまけに坂の傾斜が半端じゃなく崖の縁を平らにしただけの道は今にも崩れそう。もちろん鋪装などしてあるわけもなく、人里離れた秘境の入り口のようである。まるでここから先は来るなと言われてるみたいで「ひょっとして旧ナチスドイツ軍の隠れ里がアイスランドにもあったのか?」なんて考えながら辿り着いた先にあったのがコレ↓。


 
ちょっと離れた所にサマーハウスらしい建物があるものの人の気配はまったくない。錆びれた建物が何ともいえない雰囲気を醸し出している。とりあえず工場跡らしい建物を一周してみると、どっかでモーターのような音がする・・・結構無気味だ。永年の雨風で黒ずんだコンクリと割れたガラス窓がどこぞの強制収容所跡みたいだ。(アウシュビッツは行った事ないけど多分こんな感じに違いない。)ま、折角だから・・割れた窓から不法侵入してみる。窓から差し込む明かりだけなので内部はかなり薄暗い。大きさとしては小型の体育館くらいあると思う。その暗がりの中に巨大な工業用釜や滑車や石炭用のボイラーが朽ちたまま放置されていた。

あ〜その昔に沢山の奴隷が鎖で繋がれて働かされていたんだわ・・と言われても信じちゃうね。おまけに朽ちかたが尋常じゃない。所々天井が崩れかけているし、海岸に近いためか浸食で奥に行くにつれて床が浸水している。一部は完全に海の上。床のコンクリが海面に迫り出してたぞ。これ日本なら都とか県とかの条例で取り壊しは避けられないと思うよ。「きっと、浸水してきて営業を続けられなかったんだよ。」勝手に解釈をしてそこを出た。

恐いもの見たさで隣にある建物にまた窓から侵入すると今度は真っ暗。目が慣れるのを待ってみたけど暗すぎて見えないのでカメラのストロボを定期的に光らせて歩き回る事に。こちらは最初の建物と違い小さめの部屋がいくつもある。殆どのドアは開け放たれているけど、半開きのドアを開ける時は結構勇気がいるね。そのうち「ガサッ」と何かを踏んづけてしまった。おいおい・・やだよ老婆のミイラなんかだったら・・すかさずストロボで確認し拾ってみたら何かのデータシートみたいだ。ま、そうそうミイラなんかあるわけないよね。よく見るとその部屋には試験管とおぼしきモノや薬品の瓶なんかが散乱している。どうやら研究室のようだ。でも何を研究してたんだ? ここで一気に不気味指数が100を超える。ほとんどバイオハザード(笑)。

さらに奥へ進むと今度は床に箱が散らばっている。ひょえ〜、散らかり方が恐いよ、ここ。おそるおそるつまんでみたら「SALT」と書かれていた。なんだ、妖しくないじゃん。しかも50年代風の絵まで描いてある。「きっとここは塩の製造工場だったんじゃない?輸出してたんだよ、きっと。」「昔は魚以外にもこの国に産業があったんだ。」なんて納得して箱を一つ貰って(←突っ込まないでね)表に出た。

次にまたお隣。さすがに3件目ともなると罪の意識はかなり少なくなるのが不思議だよ。しかし今度は全ての窓に板が打ち付けてあって侵入どころか中すら見えない。で、裏へ回ってみると2階部分の壁に大きな穴が空いているのを発見。よじ登りましたよ、もちろん。そしてそこにあったのが一続きのベッド↓ ・・労働者の宿舎だったらしい。しかしこの蒲団、よくコーヒーなんかが入っている麻の生地に中身が藁だよ。


 
実は一番目立っていた丸いタンクのような建物はりゅがびびり過ぎた為に行けませんでした。だって、恐いじゃん。(←超小心者)

後から解ったのは、この工場跡はニシン加工場で、1948年頃に魚が捕れなくなって閉鎖してから誰も所有してないって事。アイスランド人って目の前のモノしか見ないからきっと捕り尽くしちゃったんだろうなぁ。それにしても、あの塩の箱は一体何だったんだろう?どうみても工業用じゃないぞ。

何もない筈の所に何かがあるってのは妙な雰囲気出ていて不思議でした。





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