毎週月曜日頃更新 -氷国時間-(^^;)

アイスランドから送るふぉとえっせ〜。 ばっくなんば〜は こちら



「サマーツアー2002 前編」

前編中編後編

2002年7月 29日


たけさん NATOレーダー近くにて

 
1ヵ月もフォトエッセイの間があいてしまいました。みなさん、お久しぶりです。最近、具合が悪くて、フォトエッセイすら、更新していなかったのに、7月中旬、ウエストフィヨルズへ、行ってきました。ん?どこが、具合が悪いんだい?という突っ込みはなしね。(笑)

さて、7月9日深夜0時頃、たけさんを迎えにケフラヴィク空港へ。ちょっと遅れてしまったりゅが、空港内へ入ると、なぜか、そこには日本人集団がっ。添乗員さんが日本語でなにやら叫んでいます。ん?ここにたけさんが、いるのかなぁ、とキョロキョロ探すと、いましたぁ。・・・でも、写真は撮らなかったので、残念ながらありません。簡単な自己紹介をしていると、例の日本人集団が、移動し始めました。こんなにたくさんの日本人なんて、なんで?思わず、後列にいたおばさんに話しかけてみると・・・



たけさん提供 謎の日本人集団

 
なんでも、彼女たちはブルーラグーンに1泊し、それからグリーンランドへ行くそうです。ってことは、この間掲示板の1186番あたりで話題になってたツアーなのかしら?忙しそうなのに、答えてくれて、おばさん、ありがとでした。添乗員さんには変な目で見られちゃったけどね・・・。それにしても、小走りで話を聞くのって、なんだか、リポーターのような変な感じだぁ。

さて、気を取り直して、出発です。今回、たけさんは当初南部を廻ろうとしていたのだけど、「その時期だったら、うちがウエストフィヨルズへ行くのでご一緒しません?」と悪魔のささやきでウエストフィヨルズへお連れしちゃいました。せっかくアイスランドへ来たのに、レイキャヴィクもなにもなしで、連れ去られていきます。



これまた、たけさん提供、困るりゅ Holmavikにて

 
途中、オートのガソリンの入れ方が分からず、何度も大ぼけをかましちゃったりゅですが、(何かは秘密ね)通りかかったおじさんに助けてもらいながら、旅は進みます。夜通しの強行軍、しかもたけさんは日本から来ているのだから、さぞかしきつかったはず・・・。途中、たけさんは時々意識を失いながら、りゅは・・・車酔いでケロンケロンになって、ほとんど寝ながら、景色が過ぎていきました。寝ていた時間はりゅの方がはるかに多し。たけさん、疲れてたはずなのに、すごいっ。あっ、もちろん、運転はず〜っと、たいちょ〜さっ。(笑)



Vigur島の下辺りにあるフィヨルド

 
レイキャヴィクからウエストフィヨルズの入り口くらいまでは、ず〜っと曇りだったのに、Reykjanesのあるフィヨルドのふもと辺りから、突然お天気がよくなってきたっ。やっぱり、ウエストフィヨルズは、こうでなきゃね。実は夏は大抵、他が雨でも、ウエストフィヨルズはお天気がいいんです。

聞く所によると、ボルンガヴィック界隈はもう2か月も、こんなお天気が続いてるとか。雨が多い南部と比べると、羨ましい限りだぞぉ。そして、数日後から雨が降りそうなので、みんなそれを待ってると言うじゃないですかっ。こちらとしてみれば、雨にならないといいのだけど・・・。

途中、お気に入りのフィヨルドで日向ぼっこをしながら、のんびり今夜の宿泊地へ向かいます。場所はBolungarvikの12キロ先にある、以前「アイスランド人の休日」にも登場したSkalavik(スカゥラヴィック)。今は無人でサマーハウスが数件あるだけの、な〜んにもない所です。

本当はあまり教えたくないのだけど、・・・まぁ、ここに書いても道が悪いので、行くのは大変だから、いいかな。(笑)ボーっとするのに最適なんですよ〜。結局、この日は深夜にケフラヴィク空港発、ボルンガヴィックに着いてからは、うちの友人宅を廻り、それからスカゥラヴィックにテントを張ると言う、非常に長〜い1日だったので、眠りにつけたのは、これまた深夜だったけど、ぐっすり寝られました。



NATOレーダー付近 約650メーターでも柵なしだと、結構コワイ

 
2日目は、本来は船で対岸へ行く予定だったのだけど、諸事情から、延期になっちゃったので、ボルンガヴィック近隣を散策。ボルンガヴィックへ来たら、行かなきゃいけないのが、近くの山頂にあるNATOレーダー。ぃゃ、別に危険な理由があるわけぢゃなくて、景色が絶品なんですよ〜。しかも今年は道路が開いてるから、車で上まで登ってこられるのだ。今まで見たいに歩かなくていいのが、ラクチン♪お天気もこれまでになく良くて、最高でした。ちなみに右の写真の海のふもとに見えているのがボルンガヴィック。



これもたけさん提供・・・って、そればっかりやんっ スカゥラヴィックにて

 
あはっ。散らかってるなぁ。まぁ、うちのキャンプはいつもこんなもの。(笑)お昼ゴハンを食べて、ボーっとしていると、「アイスランド人の休日」に登場した、ハルドラの友人のビャルトニが、うちを発見してやって来ました。実は午後から、近くにある無人の灯台のケフラヴィック(あのケフラヴィク空港ぢゃ、ありません。この国は同名が多いのよ。)へ行こうと計画を立てていた、たいちょは彼に道を尋ねます。と言うのも、ケフラヴィックへは道がないので、山越えか海岸沿いを歩いて行かなきゃならないのです。

今まで、誰に聞いても「えっ、ケフラヴィック?行くのは簡単だよ。山越えで片道2時間、往復4時間くらいじゃない。」と言われていました。その確認も込めて、ビャルトニに聞くと、英語で話すのがあまり得意じゃない彼は山を指さし「あの辺から行けるよ。」とは言ったものの、「でも、海岸沿いから行ってみなよ。」となんとなく勧めます。

しかも、今から橋がない川を越えなきゃならないのだけど、それも連れて行ってくれるというので、たいちょとたけさん、慌てて用意を始め、水も持たずに出発しちゃいました。(たいちょいわく、この辺の川は、場所さえ間違わなきゃ、飲めるから、持っていかなかったのだとか)この時14時。

りゅ?本来登るはずだった、山(崖に見えなくもない)をちらりと眺めて、辞退しておきました。だって、体力に自信ないもんっ。たけさんに頂いたジャンプやら、文庫本やらを片手に、テントに1人でお留守番♪外は天気が良くて、椅子に座ってボーっとしながらの読書は快適そのもの。時間が経つにつれ、少し涼しくなってきたので、テントに移動しても、読み続けてました。何しろ、新しい本がすっごくうれしいっ。読書に夢中になりすぎて、気が付くと予定の時間を1時間もオーバーした19時。実はこの日、「友人宅を訪ねて」のラグナーに20時に夕食に招待されていたのだ。しかし、2人は帰ってこない・・・。

時々双眼鏡で山を覗いても、米粒ほどにも見えやしない。でも、まぁ、道が悪いのも、考えられるし、携帯の電波も入らないし、心配してもしょうがないからと・・・りゅはやっぱり読書。へへ。ただ、ラグナーに連絡つけられないのは、悪いなぁ、と思っていると、20時30分にラグナーったら、自分から探しに来てくれました。

いつも約束の時間に現れるうちが、来ないから、20時を少し過ぎた時点で、ボルンガヴィックの港へ探しに行き、この日に本来乗る予定だった船の持ち主に電話をかけ、うちが船に乗っていないことを知った彼は、何かあったに違いないと、確信して探しに来たと言うじゃないですかっ。

ありがとね〜。しかも、彼に2人が海岸沿いからケフラヴィックへ言ったことを告げると「そんな道、逆側の海岸沿いより、遙かに大変だから誰も行かないよ。」と言うのです。(゚〇゚;)海岸沿いのどこかで、潮が満ちて、取り残されてるかもしれない、とラグナーは近くの別の友人のサマーハウスへ相談に行き、りゅもついていきました。

*逆側の海岸沿い うちにはレスキューこそないけど、強行軍の前科が・・ね。(ー_ー;)

そこでもう1度双眼鏡を覗くと、ラグナーが1人を山頂にみつけました。洋服の色からみて、たいちょっぽい。しかし、姿は1人しか見えず、しかもその山から下りてこられるのは1カ所しかないのに(他は危険)、その人物は正しい降口の近くまで行きながら、全く別の方向へ行ってしまいます。

うぅ〜、下で見てると、ホント、ヤキモキしちゃう。しかも、また、姿が見えなくなっちゃいました。脇でラグナーの奥さんが「どちらかが、けがして動けないのかもしれないから、レスキューチームに連絡しなきゃ」と言いはじめます・・・。ぁぅ、そんなことしたら、たいちょ怒るんですけど。それに多分、朝までかかっても帰ってくると思うけどなぁ、と慌てて止めるりゅを誰も聞かず、ラグナーとその友人オスカーは、山に登る準備を進めていきます。この時点で21時。

一方、たいちょとたけさんの2人は・・・

----------ここからたいちょ----------


出発してケフラヴィックの砂浜を過ぎた後、最初は握りこぶし大の石で埋まった海岸線をテクテク…いくら干潮時だけ通れる道とは言え、楽勝じゃん。もちろん左手は切り立つ崖で、崖から海までの距離が30m近くある広い道。2人とも天気の良さと、見上げる崖の高さなどを堪能しておりました。それが、歩き始めて15分くらい経った頃、足下の石が漬け物石ほどに大きくなってきて、それが歩くにつれ、段ボール箱大になり、冷蔵庫大になり、テトラポット大になり、挙げ句の果てには6畳の部屋ほどの大きさに…。

こりゃ歩くと言うよりも、よじ登って降りるを繰り返しているだけで、疲労の割には距離が稼げない状態が続く。このあたりまで来ると、もはや道と呼べるような代物ではなく、海に迫り出した崖の下に、500〜600m上から落ちてきた岩が積み重なって、海面から顔を出しているだけという、もの凄くワイルドな道でした。おまけにルートの取り方を間違うと、平常時には海面下にある岩のため、海草がこびり付いていて滑ることこの上ない。



こんな岩を歩いていく(この写真は、写真を撮る余裕がある足場)

 
途中、岩が小さくなり、また大きくなるのを繰り返し、何度か小休止を取りながら進んでいくと、とうとう足場になるはずの岩が全て水面下に沈んでいる箇所に遭遇。(おぃ、かんべんしろよ〜)当然、左手の崖が海に直接落ち込んでます。もはや来た道を引き返すには、かなりの距離を進んでしまっていて、引き返す間に潮が満ちたら帰れなくなるやん。

あのやろ〜ウソ教えやがって…などと思い、進むべき道を探していると、目の前の迫り出した崖から、錆びたワイヤーがぶら下がっている。直径が3cm位で、下がっている端は千切れたようになっている。

はて?これは一体? たけさんに待っていてもらい、ちょっと偵察でよじ登ってみると、4〜5m登った崖の中腹にちょっとした足場があり、それを越えると反対側にも降りるためのワイヤーがぶら下がっている。ここを越せば、この先足場が続くので、このワイヤーはここを登るためのモノなのだろう。ただ、岩に打ち込んであるワイヤーを止めてある金具が、古いためかかなりぐらついていたけど…。

実は、後から聞いた話だと、以前ここには手動で移動するゴンドラがあったらしい。今回の目的地であるケフラヴィクには灯台があり、年間を通して灯台守が住んでいたそうだけど、冬の寒い時期、病気などの緊急時に灯台に向かうための手段だったみたい。冬場は山側から崖を登っていくルートは雪が深すぎて使えず、海岸からのルートでも、崖も岩も一面氷に覆われる厳しい状況だったらしく、そのためゴンドラが作られたそうです。

ちなみに現在、灯台は使われておらず年間通して無人であります。それに伴ってゴンドラも撤去されたらしいのだけど、あそこだけ残骸として残っていたのかな?。さて、なんとか難関の崖も、自衛隊のレンジャー部隊よろしく通過した後は、また今までと同じ足場の連続…良くなったり悪くなったり。そろそろ出発してから3時間が経過しようとした頃、目の前に黄色い灯台が見えるじゃありませんかぁ。こういうのって結構うれしい。後はひたすら灯台目指してテクテク…



ケフラヴィックは一面黄色いお花畑

 
天気はいいし景色もいい、花と緑に覆われた土地にそびえ立つ灯台。何と言っても無人ってのがいいねぇ。少し風があったけど、かなりのんびりできました。草むらに寝転がって日向ぼっこしたり写真取ったり。その間に汗で湿ったシャツを干したりして…。2人とも来る途中の悪路のため、足の筋肉をかなり使ってしまっていたので、足にも休息を与えておりました。しかし、海岸なんかから来なければ良かったよ。まぁ、帰りは1時間半〜2時間で到着できる楽な道らしいから、ちょっと足がヘロっているけど楽勝だね…と、この時は思った…。小一時間休憩を取って再び出発。テントに戻ったらバーベキューで、肉をたらふく食ってやる。



これが小川の源(たけさん提供)。これでも勾配はきついよ(左)と、これじゃ迷えるじゃん。の山頂

 
ケフラヴィックを出発して緩やかな裾野を登ってゆくと、話に聞いていた通り一本道。…と言うより、これしか進めそうな所はない。もちろん道なんかありません。はい。運動不足の体にはちと勾配がきついけど、足場は普通の草むらだし、ちょっとしたハイキングっていう感じかな。振り返ると灯台が随分小さくなってきている。さよ〜ならぁ〜ケフラヴィックよ。小川にそってどんどん登っていきます。途中、小川の水をゴキュゴキュ飲んで水分補給なんかしたりして。かなり冷たいし結構うまいのよ。

さて、250mくらい高さを稼いだあたりで、進めそうな路が右手にも広がっている。この時点で出発してから3kmくらいの中腹。むむ…これはどっちに行くんだ?左手は小川沿いのルート。右はなだらかな草むらのルート。丁度真ん中に峰がそびえ立っている。

だれだよ山側からは分かりやすくて簡単とか言ったのは…。迷えるじゃね〜か。草むらルートの方が進みやすく見えるんだけど…ま、方角的にみても小川ルートだな。この時期で小川が流れていると言うことは、登ってゆくと雪景があり、それを越えると平らな山頂に出るはずだ…と冷静な判断で(ほんとか?)再び、小川沿いをテクテク…。

2つの雪景をキックステップで登って行くと、その先に勾配のきつめな別の雪景が見える。どうやらその雪景の上が頂上みたい。2人とも靴は本格的な登山靴じゃなかったので(約一名、出発時のドタバタで、底の平らなスケートシューズだし…え?いや、わたくしです。はい。)勾配のきつい雪景で滑るのは危険と思い、2つ目の雪景の終わりあたりで横の山肌を登り頂上へ…。

平らな地面の安心感もつかの間、これって一体どこから降りるんだよ。全然分かりやすくね〜ぞ。見渡す限り平らな荒れ地が広がり、見えるのは山頂の縁だけ。ここまで来て降り口を見落とすわけにもゆかず、その場から、降りる側の縁に出てみたら、見下ろす足下はストレートに海に落ちている。分かってはいたけど場所的にまだ早かったみたい。後は、山頂の縁を降り口を探してテクテク…。

山頂の縁を全部巡って行くとかなりの距離になるので、上から見て降りられそうもない所は、ショートカットしてゆくと言う行軍でした。途中、ショートカット途中の内陸地点で休憩を取り、たけさんに待っていてもらって、前のポイントからは見えなかった縁まで偵察に。方角的にも距離的にもこのあたりなんだが…と思いながら、縁を見て廻るけど一向に降り口が分からず。

実は前述の通り、この時の姿を地上で見られています。そしてこのポイントこそ降り口だったのですが、降りる方の身としては、上から見てかなり下までのルートが確保できないと、降りる踏ん切りがつかないわけで、実際に上から見たところ、足下から15m以降のルートが全然見えなかった。場所によっては途中まで降りた後に、もう一度登って引き返す事が不可能な場合もあり、この辺なんだが…と思いながらも、降りるのを止めてしまいました。

結局、2つ先の山の削れた場所になんとかルートを確保できる降り口を見つけ、そこから下山と相成りました。どんな所を降りたかって? 下の写真の向こうに見える山肌だと思って下され。

かなり遠回りになりながらも下山して、レスキューチームのローバーディフェンダーが見えた頃、向こうから他人のサマーハウスの庭の柵を乗り越えて走ってくる男が約1名…20mくらいの距離まで来た時に、こっちが敬礼すると…
「おかえり軍曹…」
「ごめんよ、食事の約束にはちと遅れたかな?」
時計を見ながら
「う〜ん、ちょっと遅いけどまだ大丈夫だな」
「そりゃ良かった…」
こりゃレスキューに探されてた遭難者の会話じゃないな…(笑)
このラグナーってのはいいヤツだよまったく…

----------ここまでたいちょ----------



スカゥラヴィックを望んで

 
結局、2時過ぎにたいちょ+たけさんは危険な崖側から自力で降りてきました。しかもっ。下じゃぁ、心配してるのに、まったく・・・。しかもその間、ラグナーはオスカーと共に2回も山を登ったと言うのに・・・。雪の上の足跡を辿るも、2人を見つけられず、あと30分、2人が降りてくるのが遅かったら、もっと多人数で山狩りをするところだったとか。

レスキュー隊員である、ラグナーとの夕食に遅れたので、探してもらえるのが早かったみたい。レスキュー隊員の皆さま、お疲れさまでした+ありがと〜。m(_ _)m たけさんも、せっかくの、旅行中に遭難しそうになっちゃって、ごめんなさいね。

この後どうしたかって?しっかりラグナーの家で夕食をごちそうになりましたよ。BBQがおいしかったぁ。しかも、疲れているだろうと、ベッドまで用意してくれて・・・。実は、ボルンガヴィックのゲストハウスに泊まらずに、スカゥラヴィックにキャンプしたのは、ゲストハウスだと「うちに泊まれよ」と言う人がいるのが、分かっていたからなんだけど、結局、この日はお世話になってしまいました。本当にありがとね。ベッドでぐっすり眠れました。







前編中編後編






もっと見るっ


アイスランドで作った「さばいばる日本食」は ここ からどぞ